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「地域創生×探究」高校生と作り上げた’未来の教室’、リーダー大学生2人が3ヶ月間の苦悩と成長を語る! 〜後編〜

· 【インタビュー】

後編は、教育プロジェクトとしての本プログラム内容をめぐるインタビューです。プログラムをめぐる様々な葛藤が浮き彫りになります。

一から作る初めてのプログラム、「手探り(前例がない)ってこんなに怖い」

筆者:3ヶ月にわたるプロジェクトでしたが、初めての試みだらけで色々大変なことがあったのではないでしょうか?

西條:そうですね。でもやってみて残っている感情は「楽しかった」です。難しかったですけど、達成感や感動がなにものとも比べ物にならないです。

堺:私もそうですね。しんどかったけど学ぶことが多くて楽しかったです!

筆者:今回の実証事業は経済産業省やマイナビと連携した新しい試みの教育プログラムですよね?お二人はどのようなモチベーションで関わろうと思ったんですか?

未来の教室

西條:僕の場合は、「長く生徒と関わりたい」のと「一からプログラムを作りたい」という思いが大きかったですね。トモノカイでは教育事業に関わっているのですが、生徒と長期間向き合って成長を見守ることがあまりありませんでした。自分の働きかけがどれくらい生徒に影響を与えているか確認する機会が欲しかったです。

筆者:2つめの思い「一からプログラムを作りたい」とのことですが、枠組みとしての教育へのアプローチにも興味があったんですか?

西條:そうです!対面で生徒とやりとりをする機会はありましたが、その中でプロジェクトや働きかけとして「こういうことができる!」と思うことが多くって。また、大きなプロジェクトを一から作り上げることができたら、これからの自分の教育キャリアにも役に立つと思いました。

筆者:一からプロジェクトを作ることの難しさはなんでしたか?

西條:前例や正解がないことですね。とにかく常に「これうまくいくのかな?この方法であってるのかな?」と不安でした。ゼロから作り上げる上に方法や手段は決まっていない、全くの手探り状態だったことがきつかったですね。キャンパスは真っ白、絵の具の色は無限大という感じで途方もなかったです。

筆者:その不安が自信に変わったのはいつごろですか?

西條:不安はずっとありました。だけど、一緒にプロジェクトを動かしていく大学生の方々との事前研修で出会ってからですかね。個性が強いけど思いも強い方々ばかりだったので、なんとかなりそうだと思いました。

大学生の研修の様子

筆者:では、堺さんはどのようなモチベーションで「未来の教室」に参加されたんですか?堺さんの大学生への指示やフィードバックは的確だったと聞いています!

堺:私は実は途中から参加したんです。トモノカイの学習メンター(中学校や高校で定期的に放課後学習を支援)活動を通して生徒との関係構築や生徒対応ができるようになってたので、現場を知るものとして多方面の視点を入れられたらいいかなと思って参加しました。

筆者:なるほど。等身大の高校生を知っている堺さんのような人がいることで、良かったと実感することはありましたか?

堺:リーダーとして一歩引いた立場で生徒をよく観察できたうえに、高校生と二人三脚でプロジェクトを進行していく大学生への働きかけがうまく行ったと思います。

筆者:大学生への働きかとは具体的にどのようなことですか。

堺:生徒との関わり方を効果的にアドバイスすることですね。最初生徒と関わる大学生の様子を見ていると、「表情が硬いなー」「生徒のことをグリップできていないな」と思うことが多くありました。そこで私のメンターの経験を生かして、一人一人の生徒の特徴を見るように大学生にアドバイスできました。大学生の方もみるみる成長していって、高校生との関係が良くなっていくのが目に見えました。

大学生メンターが相談する様子

筆者:お二人それぞれ違う方向からのアプローチだったんですね。それでも高校生・大学生と共に協力していこうという姿勢が成功の秘訣だったのではと思います。

考えを共有する重要性に気づくも「伝えるって難しい」手こずり続けた3ヶ月

筆者:お二人のお話を聞いていて、この未来の教室がとてもいいプログラムだったことがひしひしと伝わりました。では、プログラムを通して最も難しかったことを教えてください。

西條:一からプログラムを作るということで「前例がないこと」も難しかったのですが、やはり最も難しかったのは「伝えること」ですね。プログラム中の3ヶ月間ずっと試行錯誤してました。

堺:私も!自分の思い描いていることをそのまま伝えることがこんなに難しいことだとは思いませんでした。

西條:前例がないということにも通じているのですが、正解がないから大学生に具体的なアクションを細かく指示をしてあげられませんでした。自分の頭ではわかっているのに、言葉にするとうまく伝わらないし、一応大学生に伝えてみるけどうまく伝わってるかどうかもわかりませんでした。

筆者:思いを完全に共有することって難しいですよね。

堺:私の今回の主な業務は「人を動かすこと」でした。そのためには自分が思い描いている状況を説明し、理解・共感してもらわなきゃいけないのに、言葉にして説明するのがとても難しかったです。

筆者:共通認識を持つことは簡単なことではありませんね。しかも知り合って間もない人たちとの間でとなると、相当な努力が必要だったのだと思います。同じ大学生の間でも難しいのに、高校生と共通認識を持つとなるとまた違った難しさがあったのではないでしょうか。

西條:そうですね。ただ、事後ミーティングなどを重ねることで大学生同士でのコミュニケーションが増えたので、信頼関係は回を重ねるごとに強くなっていきました。最後の回ではみんなで集合写真を撮るなど、とても仲良くなりました。

大学生の集合写真

筆者:少し話は変わるんですけど、西條くんは今大学2年生ですよね?本プログラムに参加した大学生の中では最年少だったと思うのですが、先輩に指示を出す上で難しかったことはありませんでしたか?

西條:ありましたよ!とっても!ぺーぺーの僕が言うことを聞いてくれるのかなって(笑)正直自信はありませんでした。

堺:年齢は関係ないよ!

西條:本当にそうでした。皆さん僕のいうことを真剣に聞いてくれて、たくさんサポートをしてくださいました。おかげさまでいいプログラムになったと思っています。

筆者:難しさはあったけど、コミュニケーションを重ねて乗り越えていったということですね。素晴らしい!

まとめ

筆者:では最後に、3ヶ月頑張ってきた高校生に一言メッセージをお願いします。

堺:私は「信じるな!疑え!」と伝えたいです。

筆者:強いメッセージですね。

堺:はい。自分はレッテルを貼られていると思っているなら、その状況を疑ってみて欲しい。「その原因はなんなのかな」って。もしくは「本当にそうなのかな?」って。批判的になることは自分に自信を持つことにつながります。せっかく出てきた自信をこれからはどんどん育てていってほしいです。

筆者:素敵なメッセージですね!現状を跳ね返すくらいの力を持ってというメッセージですね!西條さんはいかがですか?

西條:「できないって決めつけないで」と伝えたいですね。「こんな難しいプログラムできない」って諦めていた高校生が変わっていく様をこの目で見て、「やってみればなんとかなる」ことがわかりました。過去の自分にも言いたいんですけど、「こんな真新しい取り組み成功するわけない」って思ってた自分の姿と無気力だった高校生の姿が重なる部分があったなと思います。

筆者:ゼロからイチにすることが大切ということですね。

西條:そうです。行動を起こしてみれば、必ず誰かが助けてくれる。起こさなければ誰にも気づかれない。そのことに自分も高校生も気づいたんじゃないかなと思います。あとはやっぱり感謝を伝えたいです。最後まで大学生は高校生の可能性を信じていたし、高校生は僕たちを信じてついてきてくれました。この経験は双方にとってかけがえのないものだと思います。

堺:その高校に何のゆかりがなくても、生徒への愛情があればインパクトは与えられることがわかりました。高校生のことを第一に考えてプログラムを作っていけば、必ず形になることを学べました!

筆者:大学生・高校生双方にとって大きな学びの場になったということですね。新しい取り組みの’未来の教室’、挑戦しがいのある素敵なプログラムだったことがわかりました。これからもお二人の活躍を期待しています!また、今回プログラムを受けた高校生たちの成長も注目ですね!

(筆者:篠田 茉椰)

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